Jordan の閉曲線定理の証明

平面内に「まる」を描くと、平面は「まる」の内側と外側という二つの領域に分かれるというのは経験的に誰もが知っていることです。これを厳密な数学の定理にしたものが Jordan の閉曲線定理です。Jordan の閉曲線定理は、平面 \mathbb{R}^2 の部分集合 J が円周と同相であるならば、補集合 \mathbb{R}^2\setminus J はちょうど二個の連結成分をもち、そのどちらの境界も J に一致する、ということを主張します。この定理の証明は、「直観的には明らかであるが、厳密な証明は難しい」と言われることが多く、数学の専門家でも証明を読んだことがないという人が少なくないようです。

今回の PDF ファイルでは、Maehara の論文 “The Jordan curve theorem via the Brouwer fixed point theorem” に基づいて、Jordan の閉曲線定理の比較的分かりやすい(と思われる)証明を紹介します。論文のタイトルからわかるように、この証明には Brouwer の不動点定理(の 2 次元の場合)を使います。位相空間論のほかの予備知識が必要ないように、Brouwer の不動点定理についても証明を与えています。Brouwer の不動点定理をすでに知っている人は、その証明を飛ばして途中の §3 から読むことができます。

Jordan の閉曲線定理の証明~位相空間論だけを予備知識として~

Jordan の閉曲線定理の証明」への2件のフィードバック

  1. 死ぬまでに1度は読んでおきたい証明を、しかも、予備知識をとても限定的にして、作ってくれてありがとうございます。

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