局所コンパクト空間と exponentiability

Twitter のタイムラインを見て、考えたことを書いてみます。

位相空間 X から位相空間 Y への連続写像全体にコンパクト開位相を導入したものを Y^X と書くとき、次の事実は代数的トポロジーで非常によく使われます。

定理. Y を局所コンパクト Hausdorff 空間とするとき、任意の位相空間 X, Z に対して、自然な全単射 Z^{X\times Y}\cong (Z^X)^Y がある。

圏論的には、この事実を「局所コンパクト Hausdorff 空間は、位相空間の圏 \mathbf{Top} において exponentiable である」と表現することができます。

実は、これには逆が成り立ちます。圏論有名サイトの nLab によると位相空間の圏で exponentiable であることは “core compact” であることと同値であり、また、Hausdorff 空間が core compact であることは局所コンパクトであることと同値です。

したがって、定理の全単射が任意の位相空間 X, Z について存在するような Hausdorff 空間 Y は、そもそも局所コンパクトでなければなりません。

このことは少し考えれば自分でも示せると思っていたのですが、案外そうでもありませんでした。結局考え続けた結果、Ernest Michael の論文を参照して仕上げることになりました(Michael は位相空間論で多くの重要な仕事をしています)。 完全に自力で出来なかったのは残念です。

局所コンパクト空間と exponentiability

上の PDF ファイルにまとめました。話題を提供していただいた方に感謝します。

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